真夏の思い出




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平和祈念公園

かって琉球の先人は、平和をこよなく愛する民として海を渡り、アジア諸国と交易を結んだ。
海は、豊かな生命の源として、平和と友好の架け橋として、いまなお、人々の心に息づいている。(沖縄平和祈念資料館プロローグより)

20数万の命を奪った沖縄戦。
日本の兵士、沖縄住民が最後に追いつめられ何人もの死を遂げた悲劇の場所に、沖縄平和祈念公園は造られている。
その公園の中に、沖縄戦を中心とした沖縄の歴史を伝える資料館がある。
つらく悲しい歴史をリアルに伝える資料館だ。
チャラチャラした、南国リゾートに遊びに来てついでに寄っただけといった、ピアスに茶髪の若者たちが、資料館を見ていくうちに涙を流しはじめた。
感じる心をちゃんとまだ持っている・・・
この国の若者たちも、捨てたものじゃないではないか。

資料館を出ると、青くあまりに美しい沖縄の海が広がっていた。
そのあまりの眩しい蒼さに、ぼくの頬を涙が流れた。

波勝崎

伊豆の先端、南伊豆に波勝崎に野生のサル園がある。
そこでのんびりとサルを見て過ごす。
群れがあり、親分、子分、気の強いもの、弱いもの、そして年老いて静かに海を見つめるサル、生まれたばかりの好奇心の塊のサルたちがいる。
まるで人間の世界を凝縮したような世界がそこにある。

カメラを向けると、悪戯ずきの小猿が、看板の隅からこっそり覗いて戯けて見せた。

御蔵島T

どこまでが海で、どこからが空なのだろうか・・・
御蔵の海蝕崖という崖の前に立ちぼくは海を見ている。

この海には世界でも有数のバンドウイルカが生息し、そのイルカたちとぼくは泳いできた。
島の豊かな巨木林が海へと生命の水を流し、その生命の水で魚たちが育つことで、だからイルカがこの島のまわりで生きている。

ぼくは海を見つめている。
宇宙と一体になった生命の海をぼくは見つめている。

御蔵島U

御蔵の山は洋上のアルプスと呼ばれている。
ここには7000年以上も前の噴火口の跡が池となり、400本を超える巨樹が島の森に生息する。

その森を歩けば、至る所から水が湧き出ている。
日本で一番美味しい水と言われている御蔵の水だ。

森の中で巨樹を静かに抱きしめてみる。
太古の鼓動がぼくの身体にドクドクと染みこむように聞こえてきた。

秋の陽射し

夏が終わり秋が来る。
あの眩しく突き刺さるような真夏の陽射しは消え、温もりの陽射しが身体を包む。
来年の7月を向かえればまた夏は来るだろう。
だが2004年の夏は永遠の終わりを告げる。

いくつもの思い出があった。
その思い出が熟し、そして散ってしまった。



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